JP
[プロジェクト名]
国名 | ホンジュラス国 |
発注者名 | JICA/国政府 |
契約期間 | O/D:平成27年12月〜9か月 D/D・S/V:平成29年1月〜 |
業務従事期間 | O/D:平成28年1月〜2.0ヵ月 D/D・S/V:平成29年2月〜0.3ヵ月 |
ホンジュラスの2015年の主要な死亡原因の約6割が非感染症疾患であるが、約2割は未だ感染症によるものである。特に、HIV/エイズ(2012年の死因4位)、結核(2014年有病率43/人口10万)、マラリアやリーシュマニア症、シャーガス病等の顧みられない熱帯病は深刻な課題で、非感染症・感染症を問わず迅速かつ的確な診断と治療が求められている。保健省の中央検査室は159の検査室のトップリファランスラボで、感染症サーベイランス、確認検査と人材の育成等を行っている。しかし、同検査室は施設が4か所に点在し、施設間連携の不足等により機能が分散していることにより、迅速かつ効率的な検査の実施に支障がある。また、国際的なBio Safety基準を満たしておらず、病原体の適切な封じ込めができていないことから、そこに勤務する検査技師や周辺住民への感染リスクがある。WHOの国際保健規則は、感染症等の国際的な健康危機に対応するための国際条約に準ずる拘束力を持つ規則であり、サーベイランスや緊急事態発生時の対応等について最低限備えておくべき能力が求められている。安全かつ効率的に機能できる国立研究所の整備は急務であり、国際基準を満たす国立研究所の建設に係る支援が要請された。
新たに開設される髄膜炎/肺炎検査室と昆虫学検査室を含む10検査室及び研修室の必要機材を調査した。保健省や他ドナーが購入した機材や過去に日本が供与した機材のうち移設可能な機材を除いた必要な機材について、優先順位S、A、Bカテゴリーに分類し、調達すべき機材を選定した。合理的な業務の実現のために、共用できる検査機材は各検査室に配置せず共用機材とした。結核及び髄膜炎/肺炎検査室についてはBSL2+、その他検査室はBSL2レベルを確保できる機材を調達し、既に耐用年数が過ぎ、老朽化が激しい機材は廃棄機材とし、廃棄機材の内安全の確保に必要な機材と各検査室の機能維持に不可欠な機材を更新機材として選定した。技術的かつ財政的にホンジュラス側にて十分運用維持管理可能な計画とし、また、ソフトコンポーネント計画では、5S活動を通じてラボ管理の標準化と機材の保守管理能力を強化し、安全な運用と長期的な維持管理を提案した。さらに、WHO、グローバルファンド、カナダ国際開発庁(CIDA)などの援助機関との機材調達の重複を避けた。
本業務における機材整備は現地のニーズや状況を詳細に調査し、その結果を調達計画に反映した。また、施設規模を対象人口や可能な人材などを確認し、比較表を作成し、機材の優先順位付けし、最低限度の必要な機材やその必要量の絞り込みを行った。調査にあたっては、現地の長期計画と要請内容を照らし合わせ、その妥当性を検討した。ソフトコンポーネントでは5S活動などの質の向上と安全を確保し、機材の維持管理強化を計画した。援助協調として多くの国際機関、NGOと補完する機材調達をおこなった 。以上の面で、本件業務との類似性や関係性が高い。