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[プロジェクト名]
国名 | セネガル国 |
発注者名 | 独立行政法人国際協力機構JICA |
契約期間 | 平成 23年 7月~平成 23年 11月 |
業務従事期間 | 平成 23年 7月~平成 23年 8月 |
セネガル国は第2次医療レベルの病院整備の遅れから都市部と農村部の医療格差が著しく、例えば農村部の乳幼児死亡率は都市部の約1.8倍となっている。そこで国家保健開発計画(1997~2006)の一環として地方の医療サービスの拡大・質的改善を目的とした地方病院の整備・拡充に努めてきたが、財政状況の厳しさからその進捗は芳しくなく、多くの地方病院は建物の老朽化と設備不良のため機能を十分に果たせていない状況にあった。このため、1998年度に無償資金協力「ティエス地方病院整備計画」が実施され、2000年9月に完工した。しかしながら、案件実施後10年が経過し、一部機材については修理が行われておらず、結果的に地域の中核病院としての機能の一部に支障をきたした。これら同病院では対応できない故障中の医療機材の機能回復を図り、機能することを目的として要請された。
協力要請の背景・経緯を確認と修復・調達された機材が継続的に維持管理できることを確認するため、次の調査を行った。①更新要請の機材の状況確認と最終的な機材の選定②保健省、ティエス地方病院の組織、人員配置、技術力、予算(収支額と内訳)の現状、③無償資金協力により整備された医療機材及び発電機の運営・維持管理体制の現況③無償資金協力終了後の事業実績(配置場所、数量、稼動状況、使用頻度、修理履歴等)④事業・運営維持管理の将来計画(人員配置計画、予算措置等)⑤対象施設の「セ」国保健政策における位置づけの確認、ならびに⑥保健省での医療機材関連予算と機材管理部の活動状況、他関連資料の収集及び本計画を検討した。そして、医療機材管理技術者である国立医療機材管理者研修センター(CNFTMH)の技術者の管理技術指導を行った。
ティエス州病院案件はフランス語圏ではあるが、同じ西アフリカで同様にエボラ出血熱の発生したことのあるセネガルでの中核病院の医療機材の導入プロジェクトであり、生活や医療環境に類似性があるものと考える。セネガルの州病院レベルでは、酸素ボンベの継続的な供給が難しいため、病院内に酸素濃縮プラントを設置し、高濃度圧縮酸素を作成し、手術の麻酔医や集中治療室などの酸素の供給を行っている。シエラレオネでも安全な圧縮酸素の供給は容易ではないため、同様に酸素濃縮プラントを設置し、その保守管理が求められている。また、セネガルの地方でも医療施設の電気や水などのインフラ環境が良くなく、特に電源電圧の安定性が十分確保されていないため、電源保護機材を導入し、かつ医療機材の保守管理技術者の育成や維持管理計画策定、そして具体的な機材の予防点検の訓練などを行った。本件はシエラレオネの首都であるがインフラ環境は不十分で同様の必要性があり、類似性があるものと考える。